復職の手続きをカンタンに説明「診断書・産業医・書類・挨拶」

休職に入ってからしばらくして、体調が回復してくると復職のことを考えるのではないでしょうか?

気が重いかもしれませんが、主治医から復帰を促されるような状態まで回復をしたら、そろそろ復職の準備が必要です。  

復職をするためにはどのような手続きが必要なのでしょうか?

私もよくわからずに不安だったので、復職に必要な手続きをまとめてみました。

まえおき

まずはじめに認識しておいた方がいいことを書いておきます。

前回、「休職に必要な手続き」の記事を書きました。

休職の手続きをカンタンに説明「診断書・上司・産業医・書類」

2017年10月19日

この記事の冒頭でも書いたように、休職は労働基準法といった法律で定められているわけではなく、会社毎に用意された任意の制度です。

休職する際は、労働者が会社に休職を依頼し、会社側がそれを受けて承認することで、はじめて休職となります。  

復職の場合も同じで、労働者側が会社に復職を依頼し、会社側がそれを受けて承認することで、はじめて復職となるわけです。

よって、労働者が「復職したい!」と思っていても、会社の産業医の判断によっては復職を認めずに休職の延長を勧めることもあります。  

この点は始めに認識しておいた方がいいと思います。

それでは、復職に向けてどのような手続きが必要かをご紹介していきましょう。

復職の手続き1:主治医から診断書をもらう

休職に入るときと同じく、復職をする場合も主治医の診断書が必要になります。

もちろん、「復帰可能」という診断を書いてもらうわけですが、医者が復帰可能と判断するポイントがいくつかあります。

体調の回復と労働意欲

まずは当然、体調が回復していることが大前提になります。

発症していた症状が治まっていなければなりません。  

休職中は月に1~4回ほど通院することになるはずなので、通院した際に率直に自分の症状を伝えれば良いと思います。

また、働く気力が戻っているかというのも重要なポイントになります。

「戻っても大丈夫だと思います」というレベルでは弱く、「戻りたいと思っています」というレベルまでの回復が望まれます。

復帰に向けてリハビリができているか

体調が回復していたとしても、すぐに復帰の許可は出ないでしょう。

体調が回復した後は、復帰に向けたリハビリが必要になります。

まずは、乱れた生活週間を正すために「朝は起きて夜は寝る」といったことから、対人ストレスのリハビリとして図書館やカフェ等で過ごすということを勧められるかもしれません。  

あるいは、通勤時間に合わせて職場の手前まで行って、そのまま帰ってくるという「通勤のリハビリ」を行う場合もあります。

復職支援(リワーク)プログラムというものもありますが、どのようなリハビリを行うかは主治医から指示があるはずです。

再発のリスクはないか

精神疾患は復職をしたとしても、再発する危険性が高いと言われています。

復職後には、42.9%の人が再発するという調査結果があり、二人に一人が再発していることになります。(労働政策研究・研修機構[JILPT])  

そのため、同じ職場に復帰しても大丈夫かどうかがチェックされます。チェックと言っても、基本的に主治医との面談をするだけですが。

もし、同じ職場に復帰すると再発のリスクがあると判断した場合は、条件付きでの復帰許可の診断書が発行されることになります。(配置転換が必要、等)

復職の手続き2:産業医との面談の実施

主治医から診断書をもらった後は、産業医との面談を行うことになります。

主治医が患者の味方だとすると、産業医は中立的な立場です。  

そのため、産業医は、主治医の診断書を参考にしながら、本当に復帰しても大丈夫かを確認し、復職可能か休職延長といった判断を会社側に連絡します。

症状のチェックシートや面談を実施しながら、復職しても良いかを判断します。

チェックするポイントは主治医と同じです。

チェックされるポイント
①体調が回復しているか
②復帰に向けたリハビリができているか
③再発のリスクはないか

産業医の方が会社の特徴や労働条件、雰囲気を認識しているので、主治医よりも復職の判断が厳しくなる可能性があります。  

例えば、下記のようなポイントに対して、ヒアリングを受けます。

ヒアリング内容(例)
・起床・就寝時間や食事などの生活習慣が改善されているかどうか
・運動はできているか
・人の多いところで過ごしても問題はないか
・読者やパソコンなど集中力が必要な作業が行えるか
・通常の通勤時間帯で通勤できそうか
・上司や同僚などに連絡をとるだけの気力が戻っているか

私の場合はチェックシートの記入、面談を合わせても1時間もかからずに終了しました。

復職の手続き3:必要書類の提出

産業医がOKを出した場合は、「復職願」を会社に提出することで職場に復帰できます。

通常は、復帰した初日に復職願を書いて提出し、それから元の職場に出勤することになります。 (あるいは、初日は復職願の提出だけで、帰宅する場合もあります)  

「復職願」という申請が不要な会社もありますが、必要な場合は会社指定のフォーマットに従って提出しましょう。

庶務担当者が知っているはずです。

復職の手続き4:上司との面談の実施

書類の提出と前後する場合もありますが、上司との面談を行います。

基本的には、「大丈夫か?」という言葉から始まり、下記のように業務内容に話が進んでいくでしょう。

面談内容(例)
・体調の確認
・休職中の過ごし方(リハビリができているか)
・復帰後の勤務時間
・復帰後の仕事内容

復職の手続き4:職場や顧客への挨拶

職場に出勤した後は、挨拶からはじまる可能性が高いでしょう。

「ご迷惑をおかけしました、本日より復帰します」 という一言だけでOKです。

  お世話になっている顧客にも顔出しにいくこともあります。

挨拶が終われば、仕事に入ることになりますが、バリバリに働く必要はありません。

復帰したばかりなので、重い仕事は指示されないはずです。

何も言われなければ、とりあえずメールをチェックしたり、同僚と話ながら職場の状況を確認するだけでいいのです。

おそらく、周りの人はかなり気を使うと思いますが、別に申し訳なく思うことはありません。

変に気を使う方がギクシャクしてしまうので、自分の好きなようにやるほうが周りも楽になると思います。

まとめ

休職する際は、診断書を提出すれば、ほぼ確実に休職できるのに比べて、復職するのはややハードルが高くなっています。

それもそのはずで、主治医も産業医も会社側も、病気の再発を恐れているからです。  

途中に書いたように、二人に一人は病気が再発してしまいます。

このデータから考えると、復職がゴールではなく、むしろスタートだと言えるでしょう。

くれぐれも無理はなさらないように、体調が一番大切ですから。 参考になりましたら幸いです。  

 

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ABOUTこの記事をかいた人

「さばくびと」の運営者。30代会社員。借金を抱えたり、パワハラで休職したり、自身の経験をもとに記事を書いています。

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