
「管理職への昇進の声がかかって気が重い…」
本来、管理職への昇進は素晴らしいことなのですが、昨今は管理職になることへのネガティヴなイメージを持つ人が少なくありません。
管理職を望まない大きな理由は、「メリットが少ない」ということでしょう。
そこで今回は、管理職に昇進することの具体的なメリットを7つ挙げました。
管理職への昇進する際の参考になると思います。
目次
年収が増え、未来の選択肢が増える
管理職になることのメリットとして一番大きいのは、何と言っても『給料が上がる』ことでしょう。
平社員との給料差は1.7倍〜3.0倍
管理職になると給料が上がるのは周知の事実ですが、具体的にどの程度アップするものなのでしょうか?
役職別の給料についての統計データがあります。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2017年)を見てみましょう。
平成28年=2016年、平成29年=2017年
上記の表を見ると、管理職になると平社員と比べて給料が1.7倍〜3.0倍ほどアップすることが分かります。
平社員が21万円に対して、係長では40万円、課長では52万円、部長では65万円という”差”が明記されています。
給料が増えると選択肢が増える
管理職になると、給料が1.7倍〜3.0倍ほど増えることが分かりました。
では、給料が増えると何が良いのでしょうか?
考え方は色々あると思いますが、ここでは”家族“をテーマに考えてみましょう。
というのも、管理職になる30歳以降の社員は、家族を持つケースが多いからです。
年収が上がることは自分だけでなく、家族にとっても大きな意味を持ちます。
例えば、子供がいる世帯にとって頭を悩ませる”子供の教育費用“。
幼稚園〜大学まで全てが公立でも1000万円が必要で、全て私立を選んだ場合は3000万円に近いお金が必要になるのです。(データ出典元:日本政策金融公庫 教育費に関する調査結果
収入によっては、子供の行きたい学校に行かせられない場合もあるでしょう。
逆に、収入が多ければ、それだけ選択肢が多くなります。
つまり、管理職になって年収を上げるということは、家族の未来の選択肢を増やすことにつながるのです。
退職金が上がり、老後の経済的不安を解消できる
管理職になると、年収が増えるとともに『退職金もアップ』します。
その理由ですが、一般的に退職金は下記のように計算されます。
退職金=1ヶ月の基本給×勤続年数×給付率
つまり、管理職になって基本給がアップすることで、退職金もアップすることになるのです。
退職金は、老後の不安を解消してくれます。
というのも、年金に頼る生活では、毎月5.5万円の赤字となってしまうのです。
これを65歳から90歳までの25年間で計算すると、
5.5万円×12ヶ月×25年=1650万円
そう、年金以外で1650万円のお金が必要だと分かります。

収入:209,198円
支出:263,717円 (税金や保険料含む)
209,198円 – 263,717円 = -54,519円
毎月、約5.5万円の赤字である。
(データ出典元:総務省 家計調査2017年)
定年後、老後の弱った体で毎月5.5万円(25年間で1650万円)を稼ぐのは、決して楽ではないでしょう。
そんな時でも退職金があれば安心です。
退職金は高卒で2047万、大卒では2374万円が支給されるという調査結果があります。(データ出典元:日本経済団体連合会 退職金・年金に関する実態調査結果(2016年)
また、将来の年金の支給が少なくなることは目に見えています。
そうなると、前述した毎月5.5万円よりも赤字が膨らむ可能性は高いでしょう。
そういった老後の不安を考えても、退職金がアップすることで、老後の経済的な不安を解消できるのです。
家族の夢”マイホーム”を買いやすくなる
管理職になると、ローンの組みやすさにもメリットがあります。
30代では、マイホームの購入について考えることでしょう。
住宅ローンの審査には、勤務先・雇用形態・勤続年数・年収などの評価項目に加えて、”役職“という項目もあります。
平社員と管理職のどちらが、審査に通りやすいかは言うまでもないでしょう。
また、管理職になると年収もアップするので、やはりローンの審査には通りやすくなります。
もちろん、”マイホームを購入しない”いう選択肢もあると思います。
しかしながら、住宅ローンが使えることで、将来の選択肢を確実に増やすことができるのです。
自身の”時給”をコントロールできる
管理職になると、残業代が出ない場合が多いでしょう。
“残業代が出ない”のは、一見するとデメリットのように感じるかもしれませんが、考え方によってはメリットだと言えます。
例えば、『平社員は、仕事を早くこなせばこなすほどに給料が減る』という矛盾した給料体系になっています。
(早く仕事を終わらせると、残業代が出なくなるので当然ながら給料は下がってしまいますよね…)
一方、管理職は”みなし残業”という一定の残業時間を給料に含めているため、残業がゼロであったとしても高い給料がもらえます。
つまり、『管理職は自分の頑張り次第で、時給をコントロールすることができる』のです。
より自由な働き方ができる
管理職になると裁量が大きくなり、働き方を選ぶことができるようになります。
昨今の企業では、会社以外の場所で仕事をする”テレワーク”が広がってきており、例えば、在宅勤務では満員電車からの苦痛から解放されるといったメリットがあります。
今後もテレワークは広がっていくでしょうが、ここでも平社員と管理職との間で”差”が出る場合があります。
具体的に言うと、就業規則で『平社員のテレワークが制限される場合がある』のです。
例えば、私の会社では、平社員はテレワークを利用することができません。(育児や介護が理由の場合は可能)
他の会社の事例では、在宅勤務の利用頻度に制限があるようです。
平社員:週1回まで
管理職:週3回まで
働き方にこのような”差”が出るのは、裁量の大きさからなるものです。
つまり、『管理職は大きな裁量があるため、より自由な働き方ができるようになる』のです。
あらゆるビジネスに精通する能力を伸ばすことができる
平社員の場合は、1つ1つの細かい作業を担当することが多いですが、管理職は、全体を見渡して方向性を決定することが多くなるでしょう。
航海で例えるならば、オールを動かして船を進めるのが平社員の役目で、コンパスを持って舵を切るのが管理職の役目です。
つまり、”管理職 = 行き先を決める力を持つ船長“と言うことができます。
このような方向性を決める日常を送ることで、論理的思考・計画力・決断力などの様々な能力を伸ばすことができます。
航海の話に戻しますが、目的地を目指すためには、課題やリスクを洗い出し、航海を計画し、決断をしなくはなりません。
食料をはじめとした物資も必要になるでしょうし、距離が長くなれば、途中で物資の調達も必要になるでしょう。
課題を考え、計画し、決断して実行する…これらは、あらゆるビジネスに精通する重要な能力なのです。
もちろん、これらの能力を平社員でも伸ばすことは可能です。
しかしながら、日常的に能力を使うポジションにいる管理職とは得られる経験値が違います。
『管理職では、あらゆるビジネスに精通する重要な能力を伸ばすための経験が積める』と言えるでしょう。
平社員より転職時に有利になれる
会社を転職する際にも、管理職にはメリットがあります。
管理職になると増える、『仕事のマネジメントや部下育成』。
これらの業務を「嫌だなぁ…」と苦手と感じる人は多いのではないでしょうか?
しかしながら、このような経験を積むことで、ライバルに差をつけることができるのです。
30歳以降の転職では、面接の際にマネジメント経験や部下育成について聞かれる場合が多くなります。(データ出典元:マイナビ転職)
当然ながら、経験が有るのと無いのとでは、面接官の印象は全く違います。
このように『管理職は、マネジメントや部下育成といった経験できることで、転職でも有利になる』のです。
(おまけ)管理職を希望する理由

厚生労働省の労働経済の分析では、管理職への昇進を希望する理由について統計結果を開示しています。
簡単に言うと、管理職になると給料・やりがい・自由(裁量度)の3つが増えるというのが、統計的な理由とも言えそうですね。
(9割に近い人が給料のアップを理由と考えている)
さいごに
管理職になるメリットを7つ紹介してきました。
②退職金が上がり、老後の経済的不安を解消できる
③家族の夢”マイホーム”を買いやすくなる
④自身の”時給”をコントロールできる
⑤より自由な働き方ができる
⑥あらゆるビジネスに精通する能力を伸ばすことができる
⑦平社員より転職時に有利になれる
会社によっては、上記の他にもメリットはありそうですね。
規定や福利厚生を確認してみるといいかもしれません。
管理職はネガティヴなイメージが少なくありませんが、メリットを挙げてみて将来を見据えて総合的に判断するといいと思います。
参考になりましたら幸いです。
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